インフルエンザ感染症について

「インフルエンザ」は、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。発熱・鼻汁・咳漱・節々の痛み(筋肉痛や頭痛)などの症状が急激におこり、熱も38~39℃と症状が重いのが特徴です。
潜伏期間は1~5日といわれ、その後、38℃以上の高熱や筋肉痛などの全身症状が現れます。通常、3~7日間症状が続いた後、治癒に向かいます。
インフルエンザウイルスは、気道粘膜などに強い炎症を引き起こすことが多く、中耳炎や気管支炎・肺炎などを合併することがあります。
また、脳症や脳炎、心筋炎や心不全を起こすこともあります。
ヒトに感染するインフルエンザウイルスには、A型・B型・C型の3つがあり、現在流行の中心となっているのはA型とB型です。
インフルエンザウイルスには強力な感染力があり、いったん流行すると、年齢や性別を問わず、多くの人に短期間で感染が広がります。
日本では毎年11月~4月に流行が見られ、例年、季節性インフルエンザでは、12月~2月にA型が、2月~4月ごろにかけてB型が流行する傾向があります。

治療法

  • 【一般療法】
    できるだけ安静にし、栄養と十分な睡眠を取ります。
    咽頭などの粘膜を保護するためにも、室内であってもマスクなどをし、頻回のウガイをすることを勧めます。
    また、インフルエンザウイルスの空気中での活動や感染を抑えるために、室温を20℃程度・加湿器などで室内の湿度を50%程度にしたほうが良いとされます。
    また、水分は十分に補うようにしてください。

  • 【薬物療法】
    インフルエンザウイルスに対する治療薬としてノイラミニダーゼ阻害薬があります。
    これには、飲み薬(タミフル)や吸入薬(リレンザ・イナビル)、点滴注射薬(ラピアクタ)などがありますが、年齢や症状により使い分けています。
    ノイラミニダーゼ阻害薬はA型、B型どちらのインフルエンザウイルスにも有効ですが、ウイルスの増殖を抑制することで症状の発現を和らげるため、発病後 48時間以内に投与を開始しないと十分な効果が期待できません。
    また、熱や痛みに対して解熱鎮痛薬の投与がされることがあります。一般には、アセトアミノフェン(アンヒバやカロナールといったお薬です)が使用されます。(一部の解熱剤=アスピリンやジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)、メフェナム酸(ポンタール)などは、使用しないほうが良いとされており注意が必要です。)

集団生活について

  • インフルエンザの治療に、抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)は非常に効果があります。ノイラミニダーゼ阻害薬を早期に使用した場合、1~2日で解熱することも多くあります。しかし、この薬剤は、インフルエンザウイルスの増殖を抑制し、結果として熱などの症状を軽減させるのみであり、ウイルスの排泄期間(他者へ感染させる時期)は短縮しません。

    学校保健安全法では、インフルエンザ発症日を0日と数え、5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては,3日)を経過するまで出席停止としています。



    注:熱が一時期でもあったら(その日のうちに解熱しても)熱の日と判断します。)

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