西巣鴨こどもクリニック

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冬季に流行する胃腸炎・・その対応

冬場の胃腸炎(嘔吐・下痢を主体とする感染症)の原因としては、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス感染が多くの割合を占めます。(もちろん、食中毒や細菌性腸炎(病原性大腸菌など)も原因としてありますが・・・・)

ノロウイルスについて

  • ノロウイルス感染は、嘔吐が主な症状です。下痢を併発することもしばしばありますが、
    一般には激しい嘔吐症状が先行します。

    症状は2~4日で軽快することが多いですが、感染力が強く、集団生活をしている空間では一気に広がります。 免疫力の低下している人(入院患者さんや老人の方など)は、症状の重症化がみられることもあります。

    ロタウイルスは、主に乳幼児~小児に多く認められ、嘔吐とともに激しい下痢が認められます。

    下痢症状は、ノロウイルス感染に比べ長い傾向にあります。
    これらのウイルス感染は冬場全般を通じて見られますが、ノロウイルス感染は11月から、
    ロタウイルス感染は1月くらいから多くなる傾向にあります。

    便を用いた検査で感染の有無を判断することはある程度可能ですが、インフルエンザ等と異なり、
    残念ながら、これらの疾患には特異的な治療がありません。

    胃腸炎の場合、嘔吐や下痢などの症状に引き続いて起こる脱水状態が最も大きな問題となります。
    胃腸炎の場合、吐いた直後は、まだ気持ち悪さが残っており、直ぐに水分を与えると再び嘔吐してしまいます。

    吐いた後、1~2時間は水で口の中をすすぐ程度にして様子を見てください。

    ☆吐き気止めの坐薬を使用した場合も、坐薬を挿入後1~2時間後から水分を与えるようにしてください。
    ①初めにまず、スプーン1杯程度の水分を与える。
    ②30分程度様子を見て吐いていなければ同じ量を与える。
    ③さらに30分様子を見て吐いていなければ、5~10mlの水分を与えてみる。
    ④さらに1時間様子を見て吐いていなければ10~20mlの水分を与えてみる。

    以後、吐き気がなければ、繰り返し水分を与える。 もし途中で吐いてしまったら、また①から始めてください。
    与える水分は、水やお茶などよりも、水分や糖分が補充されたもの(アクアライトやOS-1などの経口イオン飲料水)が良いとされます。

    ただし、味が吐き気を誘発することもあり、初めの数回は水やお茶などでも結構です。
    吐いた物の匂いは、吐き気を誘います。汚れた衣類や寝具は取り換え、顔を拭いたり、口をすすぐなどしてさっぱりさせてあげて下さい。

    また、ノロウイルス感染などの場合、吐物からさらに感染が広がることがあります。
    ビニール袋などを用いてきちんと嘔吐物を密閉・処理し、市販の塩素系漂白剤を薄めたもの(50-~100倍希釈)で周囲を洗浄することをお勧めします。
    また、患者さんの使用するもの(手拭タオルなど)は、別にしておき、感染の拡大を防ぐことも大切です。
    ノロウイルスなどは加熱(85℃:1分間)によって死滅することがわかっています。

    感染の恐れの強い二枚貝などを食する場合は、十分に気を付けましょう。

医師とご相談ください。

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